『狙われる総量規制対象者』
なる見出しを見つけ、『月刊国民生活』を開いてみた。
鞄本信用情報機構によると、今年の1月時点で貸金業者から借り入れがある人は
1475万人。日本貸金業協会が09年に実施した調査では、利用者の半数に当た
る約700万人が総量規制に抵触している可能性があるらしい。
当然考えられたことではあると思うが、総量規制の導入後、貸金業者から融資を受
けられなくなった前述の約700万人とも言われた総量規制の対象者を狙った違法・
脱法的ビジネスが増えている。(月刊国民生活No.37より)
改正貸金業法というのは、元々多重債務者問題の解消をめざしたものであるが、今
までのペースで借り入れをすることができなくなれば、途端に困る人々は多いようだ。
導入前から、不安を訴える声は聞こえていただけに、必要な対応がいまだ追いつい
ていない印象は否めない。
「ソフトヤミ金」も増えているようでこちらは従来のヤミ金とは違い、強引な取立
てを行わない。返済方法だけではなく、親切を装って家庭や生活の相談にのる手法
らしいが、金利の相場は10日で5割や10日で1割と、出資法の上限(年20%)
をはるかに上回り、債務問題が悪化する危険性は高いのではないだろうか。
『家族に内緒』そんな事情を抱える人が多いからこそ、このような手法はもっと広
がるかもしれない。相談もできず、一人不安に苛まれている人たちだ。
高金利被害にさらされる前に、まずは知っておいてほしい。
ソフトヤミ金や、クレジットカードの現金化にはしる前に、他の機関で借り入れを
することはできないだろうか?
規制強化の混乱防止のため、総量規制に設けられた例外規定をご存知だろうか?
複数ローンを一本化するための資金は総量規制を超える借り入れが可能であるし、
葬儀費用等、社会通念上必要と認められる費用については、最大10万円まで借り
入れができたりもする。
例外規定の利用は、明らかに周知不足と見えて伸びていないことが気になるところ
である。
また、行政や生協などによる支援制度を活用することも考えてみてほしい。
さまざまな情報が行きかう時勢ではあるが、知ることで開ける道もあるかもしれない。
膨大に溢れる情報から必要な情報を選び取ることは難しい。
けれど、少しでもよりよい明日のため、目と耳をフル稼働して対応していただきたい。
そして、総量規制の対象外である銀行業界には、ぜひ貸金業者に変わる受け皿の役
目を担っていただけることを、期待してやまない。
|