成年後見
判断能力が不十分な方々を、法律面等で保護したり支援したりする制度です。
私たちは契約を前提とする社会に生きています。スーパーで肉や野菜、あるいはコンビニで
お弁当を買うのも契約書を作ったり、印鑑を押したりはしませんが、契約です。
契約をするには、自分の行為の結果がどのようになるか判断できる能力が必要となります。
判断能力が不十分な場合、そのことによって不利益を被ってしまうおそれがあります。
そうならないように支援するための制度が、成年後見制度です。
法定後見 |
家庭裁判所によって選ばれた成年後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)が、本人の利益を考えながら,本人を代理して
契約などの法律行為をしたり、本人が自分で法律行為をするときに同意を与えたり、本人が同意を得ないでした不利益な
法律行為を後から取り消したりすることによって、本人を保護・支援します。
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・『後見』 ご本人の判断能力が全くない場合
(例)日常的な買い物なども単独では困難である
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・『保佐』 ご本人の判断能力が著しく不十分な場合
(例)日常的な買い物などは単独でできるが、重要な行為の合理的な判断ができない
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・『補助』 ご本人の判断能力が不十分な場合
(例)財産の管理・処分は単独でできるが、念のため援助を必要とする |
法定後見のメリット |
・判断能力が低下した人の、財産管理と身上看護ができる
・その内容が登記されるので、成年後見人などの地位が公的に証明される
・成年後見人等には取消権があるので、本人が詐欺にあっても契約を取り消すことができる |
法定後見のデメリット |
・選挙権を失う(保佐と補助は除く)
・会社の取締役や弁護士・医師などの一定の資格に就くことができない(資格制限、補助は除く)
・手続きに時間がかかるため、迅速性に欠ける
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任意後見 |
任意後見制度は本人が契約の締結に必要な判断能力を有している間に、将来自己の判断能力が不十分になった
ときの後見事務の内容と後見する人(任意後見人といいます)を、自ら事前の契約によって決めておく制度です(公
正証書で契約します)。
今は元気でなんでも自分で決められるけど、将来は認知症になってしまうかもしれない。という不安を感じている方が、
将来を見越して事前に公証人役場で任意後見契約を結んでおき、認知症の疑いを感じた時に家庭裁判所に任意後見
監督人の選任の申し立てをすることによって、任意後見契約を開始してもらうといったものです。
(任意後見監督人は本人が選んだ任意後見人がきちんと仕事をしているかチェックします)。 |
任意後見のメリット |
・法定後見とは異なり、本人の意思で、事前に後見人を選ぶことができる
・家庭裁判所が任意後見監督人を選任するので、任意後見人の仕事ぶりをチェックできる
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任意後見のデメリット |
・法定後見と比べ、費用がかかる |
◇任意後見の主な組み合わせ契約◇ |
○見守り契約
当事務所がご本人様と定期的に連絡を取ったり、お会いしたりすることにより、生活や健康の
状態に変化がないかを見守る契約となります。
変化が発生した場合には、契約で定められた手続きをとらせていただきます。 |
○財産管理の委任契約
判断はできるものの、病気などで身体の自由が利かないなど、財産の管理ができなくなってし
まったような場合、ご本人にかわり財産の管理を行う契約となります。
(年金の受領や、入院費・家賃の支払いなど)
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○死後事務委任契約
ご本人が亡くなられた後、契約内容に従い遺言の執行や身辺整理、葬儀の手配を行ったりと
いう契約となります。
遺言の作成もお手伝いいたしますので、ご相談ください。
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